プロゲステロン(黄体ホルモン)は、排卵後に分泌が増え、子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に整えたり、妊娠を維持したりする「妊娠準備のホルモン」です。
基礎体温を上げたり、乳腺を発達させたりする働きもあり、分泌が優位になると生理前の眠気やむくみ、イライラ(PMS症状)の原因にもなります。
エストロゲンとのバランスが重要で、ホルモンバランスが崩れると心身の不調につながります。
| プロゲステロン(ng/mL) | |
|---|---|
| 成人男性 | 0.4以下 |
| 卵胞期 | 0.1~1.5 |
| 黄体期 | 2.5~28.0 |
| 黄体中期 | 5.7~28.0 |
| 妊娠Ⅰ期 | 9.0~47.0 |
| 妊娠Ⅱ期 | 17.0~146.0 |
| 妊娠Ⅲ期 | 55.0~255.0 |
| 閉経期 | 0.2以下 |
目次
プロゲステロンの定義
プロゲステロンは、黄体機能や妊娠と深く関連しているホルモンです。
女性は主に卵巣・胎盤から、男性および閉経後女性は副腎皮質から分泌されます。
プロゲステロンの測定は、卵巣機能(月経異常、不妊症)、胎盤機能、副腎機能を評価するために行います。
主な働きと役割
①妊娠の準備
エストロゲンで厚くなった子宮内膜を柔らかくし、受精卵が着床しやすい環境を作る。
②妊娠の維持
妊娠が成立すると分泌が続き、胎盤で生成され妊娠出産まで子宮内膜を維持する。
③基礎体温を上げる
体温を上げる作用があり、基礎体温を測ることで排卵後の体温上昇(二相性)が確認できる。
④乳腺の発達
妊娠に備えて乳腺を発達させる。
⑤防御作用
子宮頸部の粘液を粘り強くし、細菌や精子の侵入を防ぐ。
プロゲステロン優位のサイン(生理前など)
- 眠気、だるさ
- イライラ、気分の落ち込み
- 食欲増進、むくみ
- 肩こり、腰痛
プロゲステロンの異常とその原因
| 高値の場合 | 低値の場合 |
|---|---|
| ・先天性副腎肥大症 ・クッシング症候群 ・本態性高血圧症 ・副腎癌 ・副腎男性化腫瘍 ・胞状奇胎 ・妊娠 | ・卵巣機能低下症 ・無月経 ・排卵異常 ・アジソン病 ・汎下垂体機能低下症 |






