HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)|基準値

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hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は、妊娠時に胎盤の絨毛組織から分泌される性腺刺激ホルモンで、妊娠の維持や、異常妊娠の診断、不妊治療に用いられます。

妊娠検査薬は尿中のhCGを検出することで妊娠を判断し、また特定の腫瘍マーカーとしても使用されます。

[HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の基準値]

血清(mIU/mL)尿(mIU/mL)
成人男性2.0以下2.0以下
非妊婦2.0以下2.0以下
妊娠6週以下2,700~87,2001,100~27,000
妊娠7~10週6,700~201,5005,700~190,000
妊娠11~20週8,700~72,2004,000~81,000
妊娠21~40週4,300~79,0001,400~44,500

参考図書


目次

HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の概要

ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)は、妊娠などにより胎盤の絨毛組織から産生される性腺刺激ホルモンです。

卵巣からのプロゲステロン、睾丸からのテストステロンの分泌を促進します。

略称

HCG:human chorionic gonadotropin
ヒト絨毛性ゴナドトロピン

hCGの主な働きと用途

① 妊娠の診断

妊娠初期に尿中hCGを検出する市販の妊娠検査薬が広く使われています。

② 異常妊娠の診断

流産や子宮外妊娠などの異常妊娠の兆候を早期に知る指標となります。

③ 腫瘍マーカー

絨毛がんや精巣がん、卵巣がんなどの特定の腫瘍から産生されることがあり、これらの診断や経過観察に用いられます。

④ 不妊治療

排卵を誘発したり、黄体機能をサポートするためにhCG製剤(注射など)が用いられることがあります。

hCGの構造と分泌

hCGは、糖鎖がついたα鎖とβ鎖という2つのサブユニットからなる糖タンパク質ホルモンです。

妊娠すると胎盤の絨毛細胞から分泌され、妊娠の早期発見につながります。

胞状奇胎、絨毛癌、異所性HCG産生腫瘍などの疑いがある場合には、血中HCGやHCG-β、および画像診断(超音波検査、CT、MRIなど)を行い、病理組織検査で確定診断をします。

HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の異常とその原因

高値の場合低値の場合
・胞状奇胎
  :非常に高値
・絨毛癌
  :非常に高値
・異所性HCG産生腫瘍
  :睾丸腫瘍、卵巣癌、子宮癌、膵臓癌、胃癌
・切迫流産
  :予後不良
・子宮外妊娠
・胎児死亡

その他の腫瘍マーカー

各種臓器の癌腫瘍マーカー
肺癌腺癌SLX
CEA(癌胎児性抗原)
扁平上皮癌SCC
CYFRA(シフラ)
小細胞癌NSE
ProGRP
食道癌SCC
CYFRA(シフラ)
肝臓癌AFP
PIVKA-Ⅱ
乳癌CA15-3
CEA(癌胎児性抗原)
胆嚢・膵臓癌CEA(癌胎児性抗原)
CA19-9
・CA-50
・DUPAN-2
・Span-1
胃・大腸癌CEA(癌胎児性抗原)
・STN(シアリルTn抗原)
前立腺癌PSA(前立腺特異抗原)
卵巣癌CA125
・CA130
・CA72-4
絨毛癌HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

参考図書

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