尿pHとは尿の酸性度・アルカリ性度を示す水素イオン濃度(pH)の数値で、健康人の場合はpH6.0前後の弱酸性が正常範囲です。
食生活(動物性食品で酸性、植物性食品でアルカリ性)や運動、発熱、脱水、嘔吐などで変動しやすく、継続的な酸性・アルカリ性尿は糖尿病、尿路感染症、腎臓病などの可能性を示唆するため、他の検査結果と併せて医師の診断を受けることが重要です。
尿pHの基準値
4.6~7.0(平均6.0)
目次
尿pHの概要
尿のpH(酸性尿か?アルカリ尿か?)を調べることで、生体の酸塩基平衡の状態をおおまかに調べることができます。
ちなみに、健常者の尿はほとんどが酸性になります。
採尿後長く放置した尿は、尿中の細菌が尿素をアンモニアに分解するので、アルカリ性に傾きます。
変動要因
① 食事
動物性食品(肉類など)の摂取が多いと尿は酸性に、野菜や果物などの植物性食品が多いとアルカリ性に傾きやすくなります。
② 運動
激しい運動後は一過性に尿が酸性になることがあります。
③ 時間帯
朝の尿は夜間の代謝の影響で酸性に傾きやすく、食後には胃酸分泌でアルカリ性になる傾向があります。
④ 体調・疾患
| 酸性尿(pHが低い) | 発熱、脱水、飢餓、糖尿病、痛風、下痢など |
| アルカリ性尿(pHが高い) | 尿路感染症、過呼吸、嘔吐、制酸剤の服用など |
健康への影響
① 酸性尿と結石
尿が酸性に傾くと尿酸などが溶けにくくなり、尿酸結石などができやすくなることがあります。
② アルカリ性尿と結石
アルカリ性尿はリン酸カルシウム結石や尿酸ナトリウム結石のリスクを高める可能性があります。
尿pHの異常とその原因
| 高値の場合 | 低値の場合 |
|---|---|
| [アルカリ尿] ・尿路感染 ・尿路結石症の一部 ・腎不全 ・代謝性・呼吸性アルカローシス | [酸性尿] ・糖尿病 ・痛風(尿酸代謝異常) ・脱水症 ・尿路結石 ・アルコール中毒 ・代謝性・呼吸性アシドーシス |






