PSA(前立腺特異抗原)は、前立腺から分泌されるタンパク質で、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられる血液検査項目です。
がんと診断するための検査ではありませんが、前立腺がんの可能性を調べるスクリーニング検査に利用され、通常4ng/mL以下が基準とされます。
PSA値が高かった場合は、前立腺肥大症や炎症など良性疾患でも上昇する可能性があるため、組織検査(前立腺生検)やMRI検査などを行い、前立腺がんの有無を確定診断します。
4.0(ng/mL)以下(CLIA法)
PSA(前立腺特異抗原)の定義
PSA(前立腺特異抗原)は「前立腺癌の腫瘍マーカー」で、ヒト前立腺組織から抽出された糖蛋白です。
前立腺癌の診断や治療効果の判定に用いられます。
その他の前立腺癌の腫瘍マーカーとして、γ-Sm(γ-セミノプロテイン)やPAP(前立腺性酸性ホスファターゼ)があります。
マーカー値が高い場合には、前立腺の触診、超音波検査、CT検査、前立腺生検(病理組織検査)を行います。
略称
PSA
prostate-specific antigen、前立腺特異抗原
PSAとは?
PSA(Prostate-Specific Antigen、前立腺特異抗原)は、男性の前立腺で作られるタンパク質で、精液の性状をサラサラにする役割があります。
通常はごくわずかしか血液中にありませんが、前立腺がんや前立腺肥大症、前立腺炎などの前立腺の異常があると、血液中に漏れ出してPSA値が上昇します。
PSA検査の目的
PSA値が高い場合でも前立腺がんとは限らず、前立腺肥大症や炎症、尿閉(尿がでない状態)などでも上昇する可能性があります。
「グレーゾーン」と呼ばれるPSA値(4~10ng/mL程度)では、前立腺がんの可能性が3~4人に1人程度とされており、精密検査が必要です。
高値の場合、前立腺がんの確定診断のためには、前立腺に針を刺して組織を採取する「前立腺生検」や、MRI検査などを行うことがあります。
PSA(前立腺特異抗原)が高値の場合
PSA(前立腺特異抗原)が高値の場合には、以下のことが考えられます。
- 前立腺癌
・Stage D(陽性率93%)
・Stage C(89%)
・Stage B(63%)
・Stage A(43%) - 前立腺肥大症(14%)
その他の腫瘍マーカー
| 各種臓器の癌 | 腫瘍マーカー | |
|---|---|---|
| 肺癌 | 腺癌 | ・SLX ・CEA(癌胎児性抗原) |
| 扁平上皮癌 | ・SCC ・CYFRA(シフラ) | |
| 小細胞癌 | ・NSE ・ProGRP | |
| 食道癌 | ・SCC ・CYFRA(シフラ) | |
| 肝臓癌 | ・AFP ・PIVKA-Ⅱ | |
| 乳癌 | ・CA15-3 ・CEA(癌胎児性抗原) | |
| 胆嚢・膵臓癌 | ・CEA(癌胎児性抗原) ・CA19-9 ・CA-50 ・DUPAN-2 ・Span-1 | |
| 胃・大腸癌 | ・CEA(癌胎児性抗原) ・STN(シアリルTn抗原) | |
| 前立腺癌 | ・PSA(前立腺特異抗原) | |
| 卵巣癌 | ・CA125 ・CA130 ・CA72-4 | |
| 絨毛癌 | ・HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン) | |






