シアル化糖鎖抗原KL-6とは、肺の間質性肺炎などの肺疾患で血中に増加する「シアル化糖タンパク質」の一種です。
肺の表面にある「II型肺胞上皮細胞」から分泌され、間質性肺炎の活動期や悪化時に血中濃度が著しく上昇することから、診断の補助や活動性の評価に有用なマーカーとして用いられます。
KL-6(シアル化糖鎖抗原)の基準値
500(U/mL)未満(ECLIA法)
目次
KL-6(シアル化糖鎖抗原)の概要
KL-6は、間質性肺炎群(特発性間質性肺炎(IIP)、過敏性肺炎、膠原病性間質性肺炎など)に特異性が高い血清マーカーです。
とくに、活動性の間質性肺炎において非活動性に比べて高値を示すので、間質性肺炎が疑われるときや、その活動性の把握のために行われます。
KL-6の他の間質性肺炎の血清マーカーには、SP-AとSP-Dがあります。
胸部X線、胸部CT検査、肺機能検査などで間質性肺炎の拡がりや性状を検討します。気管支鏡検査での肺生検、肺胞洗浄検査や胸腔鏡下での肺生検を行い、病理組織学的な確定診断を行います。
KL-6(シアル化糖鎖抗原)が高値の場合
KL-6(シアル化糖鎖抗原)が高値の場合には、以下のことが考えられます。
| 活動性 > 非活動性 | 偽陽性 |
|---|---|
| ・特発性間質性肺炎(IIP) ・過敏性肺炎 ・膠原病性間質性肺炎 | ・肺結核 ・気管支拡張症 ・肺気腫 |






