ケトン体は、体内でブドウ糖が不足した際に、脂肪を分解して作られる「糖質に代わるエネルギー源」です。
アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の3つの総称であり、脳や筋肉などで利用されます。
糖質制限や絶食時、そしてインスリン不足が原因の糖尿病などで増加し、過剰に増えすぎると血液が酸性になる「ケトアシドーシス」を引き起こす可能性があります。
ケトン体の基準値
陰性
目次
ケトン体の概要
ケトン体とは、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンの総称です。
アセトン体とも呼ばれ、肝臓で脂肪酸から作られます。
ケトン体の検査とは、糖尿病をはじめとする糖代謝異常や糖の摂取・利用障害の有無を知るための検査であり、一般には試験紙法が簡便な方法として用いられています。
| ケトン体の種類 | |
|---|---|
| アセト酢酸 | ケトン体の大部分を占める |
| β-ヒドロキシ酪酸 (3-ヒドロキシ酪酸) | アセト酢酸と相互に変換される |
| アセトン | 揮発性が高く、吐く息とともに排出されやすい |
ケトン体の役割と生成される状況
ケトン体はエネルギー源としての役割があり、脳や心筋、骨格筋などでブドウ糖の代わりにエネルギーとして利用されます。
生成される状況は以下の通りです。
① 糖質不足
糖質制限や絶食、長時間の運動などで体内のブドウ糖が不足すると、脂肪を分解してケトン体が作られます。
② 糖尿病
インスリンの働きが不足すると、ブドウ糖がエネルギーとして利用できないため、脂肪の分解が増え、ケトン体が生成されます。
機序
糖質の不足などで糖代謝障害が起きると、エネルギー源として糖の代わりに脂肪酸が利用され、アセチルCoAができます。
このアセチルCoAからケトン体が作られ尿中に排泄されます。
脂肪酸 ⇨ アセチルCoA ⇨ ケトン体
尿中ケトン体が陽性の場合には、糖尿病によるものなのか、あるいは糖の摂取不足や利用の障害か、他の症状・検査などを参考に鑑別する必要があります。また、尿中ケトン体が陽性になる糖尿病は重症であり、尿糖や血糖値そのほかの糖尿病関連の検査を行う必要があります。
ケトン体が陽性の場合
ケトン体が陽性の場合には、以下のことが考えられます。
- 長期絶食
- 糖尿病
- 内分泌疾患(甲状腺・下垂体・副腎などの機能亢進症)
- 脱水症(下痢、嘔吐)
- 感染症






