CH50（血清補体価）｜基準値

CH₅₀は、補体の「古典経路」という経路全体の活性を示す検査指標です。

この経路は感染症や炎症反応で重要な役割を果たす補体タンパク質の一連の反応です。

CH₅₀の異常は、膠原病（SLEなど）、腎炎、感染症、悪性腫瘍、肝疾患、先天性補体成分欠損症など、補体系が関与するさまざまな疾患の診断や経過観察、治療効果の判定に役立ちます。

CH₅₀（血清補体価）の概要

CH₅₀（血清補体価）は、血清中のC1～C9までのすべての補体成分の活性を一括して測定する検査です。

補体とは、正常血清中に存在し、感染の際に活性化されて抗体と共に感染防御、炎症反応に関与する物質です。

C1～C9までの成分、インヒビター、制御因子を含め約20種類の蛋白質から構成されています。

C3・C4などを同時に測ることによって、補体異常のある疾患（SLE、急性糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎など）のスクリーニング検査および経過観察に用いられます。

略称

CH₅₀
血清補体価、50％hemolytic unit of complement

CH₅₀とは？

C1からC9までの補体成分すべての活性を総合的に評価する検査です。

特定の補体成分の異常ではなく、古典経路の働き全体が低下しているか、あるいは亢進しているかを判断するスクリーニング検査として重要です。

特に、免疫複合体による補体消耗や先天性補体欠損症など、低値を示す場合に臨床的に重要視されます。

CH₅₀（血清補体価）の異常とその原因

高値の場合	低値の場合
・急性感染症 ・炎症性疾患 ・悪性腫瘍	・補体の活性化による疾患 　　：全身性エリテマトーデス（SLE） 　　：急性糸球体腎炎 　　：膜性増殖性腎炎 ・産生、分解、および排泄などの代謝異常 　　：急性肝炎 　　：慢性肝炎 　　：肝硬変 ・先天性欠損症 　　：各補体成分欠損症

補体価の上昇は、CRP（C反応性蛋白）と同じように炎症で認められますが、臨床的意義は少ないです。