血漿レニン、アルドステロン|基準値

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血漿レニンとアルドステロンは、体内の水分・電解質バランスと血圧を調節するホルモンです。

レニンは血圧が低下したときに腎臓から分泌され、アンジオテンシンⅡを経てアルドステロンの分泌を促します。

アルドステロンは副腎皮質から分泌され、ナトリウムと水の再吸収を促進して血圧を上昇させます。

これらのホルモンは相互に調節されており、同時測定することで高血圧の原因となる原発性アルドステロン症(PA)などの診断に役立ちます。

血漿レニン、アルドステロンの基準値

血漿レニン活性: 0.5~2.0(ng/mL/時)

アルドステロン: 57~150(pg/mL)


参考図書


目次

血漿レニン、アルドステロンの概要

レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系の測定は、原発性アルドステロン症の診断・レニン産生腫瘍・リドル症候群などの高血圧を呈する疾患の鑑別診断に用いられます。

原発性アルドステロン症が疑われる場合には、血清K、血中コルチゾール、尿中17-KS、17-OHCS負荷テスト(フロセミド、立位負荷テスト)を測定する。

血漿レニン、アルドステロンの機序

血漿レニンの機序

レニンは、腎臓で生成される酵素です。

レニンは、血液中に分泌され、肝臓で合成されるアンギオテンシノーゲンに作用し、アンギオテンシンⅠを生成させます。

アンギオテンシンⅠは、アンギオテンシン返還酵素によりアンギオテンシンⅡに変換されます。

アンギオテンシンⅡは、血管収縮作用や副腎からアルドステロンの分泌を促進する作用をします。


「レニン」が腎臓で生成され血液中に分泌される

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肝臓で生成される「アンギオテンシノーゲン」に作用

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「アンギオテンシンⅠ」が生成される

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アンギオテンシン変換酵素が「アンギオテンシンⅠ」に作用

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「アンギオテンシンⅡ」に変換される

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血管収縮作用や副腎から「アルドステロン」の分泌を促進する作用をする

アルドステロンの機序

アルドステロンは、腎臓の遠位尿細管に作用してナトリウムの再吸収やカリウムの排出などの働きをし、Na-K平衡維持に重要な役割をします。

アルドステロンは、腎臓の遠位尿細管に作用してナトリウムの再吸収やカリウムの排出などの働きをし、Na-K平衡維持に重要な役割をします。


「アルドステロン」が血管収縮作用や副腎から分泌される

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腎臓の遠位尿細管に作用する

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ナトリウムの再吸収・カリウムの排出

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Na-K平衡維持に重要な役割をする

検査の目的と意義

① スクリーニング

特に血圧を上げる原因疾患である原発性アルドステロン症のスクリーニングに用いられます。

② 原発性アルドステロン症(PA)の診断

PAではアルドステロンが過剰に分泌され、レニンは抑制されているため、アルドステロン/レニン比(ARR)が高値となります。

③ 病態の把握

各種浮腫性疾患や水・電解質異常の鑑別、病態の把握にも用いられます。

血漿レニン、アルドステロンの異常とその原因

血漿レニン、アルドステロンが高値の場合

血漿レニン、アルドステロンが高値の場合
  • 悪性高血圧症
  • 腎血管性高血圧症
  • レニン産生腫瘍
  • バーター(Bartter)症候群
  • 浮腫性疾患

血漿レニンが高値であり、アルドステロンが低値の場合

血漿レニンが高値、アルドステロンが低値の場合
  • 原発性選択的低アルドステロン症
  • 21-ヒドロキシラーゼ(hydroxylase)欠損症
  • アジソン病

血漿レニンが低値であり、アルドステロンが高値の場合

血漿レニンが低値、アルドステロンが高値の場合
  • 原発性アルドステロン症
  • 特発性アルドステロン症
  • 糖質コルチコイド反応性アルドステロン症

血漿レニン、アルドステロンが低値の場合

血漿レニン、アルドステロンが低値の場合
  • DOC(11-デオキシコルチコステロン)産生腫瘍
  • リドル(Liddle)症候群
  • 低レニン性選択的低アルドステロン症
  • 偽性アルドステロン症

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