「医療区分⑬:常時、監視及び管理をしている状態」をわかりやすく解説|【疾患・状態に係る医療区分:医療区分3】

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療養病棟入院基本料を算定する療養病棟では、入院患者の医療区分・ADL区分の評価を毎日行い、その結果を「医療区分・ADL区分等に係る評価票」に記入するようになっています。

そして、その評価には「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を用いるようになっています。

この記事では、「評価の手引き」に記載されている医療区分の項目について分かりやすく解説します。

※「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」の概要については以下の記事をご参照ください。

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参考図書


目次

医療区分の概要(医科点数表の解釈)

医療区分「医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態」は、医科点数表の解釈において以下のように記載されています。


13. 医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態

項目の定義
循環動態および呼吸状態が不安定なため、常時、動脈血酸素飽和度、血圧、心電図、呼吸等のバイタルサインを観察する必要がある等、医師及び看護職員により、24時間体制での監視及び管理を必要とする状態
評価の単位
1日毎
留意点
少なくとも連続して24時間以上「項目の定義」に該当する状態にあること。(初日を含む。)

動脈血酸素飽和度、血圧、心電図、呼吸等のバイタルサインが、少なくとも4時間以内の間隔で観察されていること。ただし、医師による治療方針に関する確認が行われていない場合は該当しない。

なお、当該項目は、当該項目を除く医療区分3又は医療区分2の項目に、1つ以上の該当項目がある場合に限り医療区分3として取り扱うものとし、それ以外の場合は医療区分2として取り扱うものとする。

語句の説明

「循環動態」とは?

循環動態とは、「心臓から送り出された血液が血管網を介して全身を巡る」、その状態や仕組みを指します。

循環動態は、「心臓のポンプ機能、血管の抵抗、循環血液量、自律神経、全身の代謝量など」、複数の要素が複雑に関与して成り立っています。

循環動態の主な要素
心臓のポンプ機能血液を送り出すポンプとして、心臓の内圧、拍動、拍出量などが影響します。
血管の状態血管の弾性、抵抗、容量が血流の配分と心臓への還流を調節します。
循環血液量循環系を満たす血液の量で、システム内の圧力を維持します。
自律神経循環系を調節する自律神経の機能も重要な要素です。

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「動脈血酸素飽和度」とは?

動脈血酸素飽和度とは、動脈血中のヘモグロビン(酸素を運ぶタンパク質)のうち、どれくらいの割合が酸素と結合しているかを示す数値(%)です。

これは、体内に十分な酸素が供給されているかどうかの重要な指標であり、一般的に健康な人の正常値は96~99%です。

パルスオキシメーターという機器で皮膚を通して非侵襲的に測定されることが多く、その場合は「SpO2」と表記されます。

SpO2値(%)状態対応
96 ~ 99正常問題なし
91 ~ 95軽度の低下(要注意)安静にして深呼吸し、再測定する
90以下低い(危険な可能性)医師の指示に従い、医療機関に連絡または受診する

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評価の要点

【疾患・状態に係る医療区分⑬】医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態

分類医療区分算定期間評価の単位
疾患・状態医療区分3期間に限りなし

24時間体制で、監視と管理を実施している状態であることを確認します。

循環動態と呼吸状態が不安定なため、24時間体制で「動脈血酸素飽和度、血圧、心電図、呼吸等のバイタルサイン」を観察する必要があるなどの状態を確認します。

4時間以内の間隔で、「動脈血酸素飽和度、血圧、心電図、呼吸等のバイタルサイン」が観察されていて、医師による治療方針の確認がされている必要があります。

評価票の記入は、「初日」を含みます。

本項目以外の医療区分3・医療区分2に該当項目が1つ以上あれば、医療区分3として取り扱います。

本項目のみの該当では、医療区分2として取り扱います。

医療区分の該当要件に当てはまるかを確認し、算定期間の要件に注意して評価票に記入をすることが大切です。

評価のチェックポイント

評価のチェックポイントを確認して、評価ミスや記入漏れがないようにしましょう。

該当要件のチェックポイント
医師及び看護職員により、24時間体制での監視および管理が実施されている。
動脈血酸素飽和度、血圧、心電図、呼吸等のバイタルサインが少なくとも4時間以内の間隔で観察されている。
医師による治療方針に関する確認が行われている。
本項目以外の医療区分3・医療区分2に、1つ以上の該当項目がある場合は医療区分3として取り扱う。それ以外は、医療区分2として取り扱う。
算定期間のチェックポイント
1日毎に評価を行っている。
初日(開始日)は、翌日に24時間以上の条件を満たしていれば該当になる。                  
終了日は、24時間以上の条件を満たさないため該当とならない。

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  • 病棟単位の医療区分2・3の割合(重症度割合)
  • 病棟単位の医療区分の内訳(割合)
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